スウィング時代

僕の音楽ライフは充実の盛りを極めていて、新しい恋人というか愛ぽっどをゲットしたからで、とりあえずアーティスト名Aから順番に全部を聞いていくことにした。Aimee MannAlbert AylerAlice in ChainsAlison Krauss、Amanda Palmer、Americaと来たところで、そこまでのアーティストがいいのは当たり前なんだけど次にくるThe American Analog Setがものすごく良い。特に『Choir Vandals』という曲はどう考えてもイントロがキャットパワーの曲名忘れたけどなにかと一緒で、はははと笑い、例の好きなものをただ並べていくというスタイルは土岐麻子の『私のお気に入り』だかそんなタイトルの曲を思い出す。はあまた欲しいレコードがいっぱいでてきちゃうなあとか思いながら桜木町への道を歩く。
「ひさしぶり」と本屋で待つ彼女の頭を後ろからトンとさわる。おかえり、ただいま、と。高校生のとき、デートと言えばもっぱら桜木町、みなとみらい、となるのが横浜人の常識というか横浜人の定義だと思うのだけれど、大学に入ってからはデートと言えばもっぱら東京シティーとなっていったのでわりと1年ぶりとか久々な感じだなあ。で、わざわざ桜木町にしたのは彼女が偏執狂なまでにタリーズ好きな方で、とりあえずビールといったノリでとりあえずスタバかミスドの僕としては相性よくないわねえと思うのだけれど、横浜にあったタリーズは潰れてしまったらしくて、ランドマークタワーの中のタリーズに向かう。マカオタワーとか世界一高い建造物である台湾101を見た後だと妙にちいさく感じる。それとも僕が大きくなったのか。なんちて☆
タリーズでアハハと談笑して、クイーンズスクエアぶらぶらして、ワールドポーターズのコールドストーンでアイス食べて、歌われる。「ベリーベリーベリーグッドには歌があるのですが、歌わせて頂いてよろしいでしょうか」と言われて「別に」とかで断るような人はわりと嫌いなタイプだし、はあと言うと歌われる。「えーと大丈夫です」と答えたら歌うのか歌わないのか彼ら彼女たちは困るだろう。日本語は難しい。そういえばコールドストーンランドマークタワー店でバイトしてる子と一緒に飲んでるときに「クリスマイスイブにはカップルがアイス買うために3時間並んだよ」と嘆いてて彼女とファックと叫んでいた記憶があるのだが、そのうちどのくらいがいまの僕みたいな彼女とじゃないけど気になるなあって方と並んでたのだろうとか考えるとちょっとまあそんな話も悪くないなあ。
日が暮れはじめて彼女がおなかすいたねーと言い出すので、そうなると男の側はさあ大変、というのは中学とか高校のときの話なんだけど、とりあえず桜木町でディナーというような関係でもないので横浜帰ってお好み焼きともんじゃ食べる。「おねえさん飲み足りないんですけど」と言われるからハハハあなたはほんとにもうとわたみん家で飲む。ずいぶんとお酒がお好きな方だから、とりあえずビール→焼酎ボトル一本入れて飲んだりしてたらわけわかんなくなって結局ひとりボトル1本開けるという惨禍になる。この2ヶ月の間に何かあって彼女の薬指の指輪が消えていればなあと期待していたのだけれどもそういうこともなくて、またずっと見ないふりを決め込んでたのだけれども、どうやらわりと危機らしくて今週末に話し合うとからしいので、「へえじゃあ別れたら一番に連絡してねー」とかいろいろ調子乗って責め立てる。そこらへんで携帯見るとしょーくんから踊りいこうよとお誘いが入ってて、酔った勢いというものは凄いもので、むちゃくちゃ眠いし頭痛いしとかなのに、じゃあいくわーとか答えてて、結局新宿に行くはめになった。でも帰りの電車の中で、さすがに飲み過ぎたという彼女の頭を肩に乗せて…という「あの娘が眠ってる」の形がとれたのでわりと幸せだった。
新宿着くと、しょーくんと中国女と原ちゃんと絶対行かないと言ってたケーヤとかもいたのでわりと楽しくなってわいわいな気分でスウィングするメロディ!スウィングする日々!とか歌っていーい気分だったからクラブ入ってからもみんなでおかしい話して幸せだなあと思うのだ。グラスホッパー飲みながらフロアで揺れてると音楽もとーってもよくてわわ、こないだのクラブの50億倍いいわーとか言ってそれはよかったのだけれども途中からお酒がまたきてわりと頭痛くなってあああ、とラウンジで煙草吸いながら休んでいることとなった。ねみーとかぼーっとしてるとしょーくんとかもフロアから戻ってきて、泥酔していて語り始めることはそれはもうたいそうおもしろい話でおもしろすぎて不機嫌な顔をしていた。原ちゃんがウンウンうなずいていておもしろかった。
そして人生はつづく(悲劇悲劇!)の話とか、『サッドヴァケイション』の例の最強のシーンの話とか、映画はときとして人生を越える話だとか、私の好きな敵の話とかいやあほんとに彼はすごいなあ映画を撮れば黒沢清より面白くて、語らせれば樋口さんの話よりおもしろいのだから。青山真治溝口健二ビクトル・エリセ、ホークス、フォード、ルノワールダグラス・サークそしてトニー・スコット。わりと最近これはちいさな確信を持って思うことなのだけれども、とにかく奇跡でも起こらない限り、な映画の世界で三宅唱だけは別というか青山真治は越えるのだろうなあとか思ってしまうのだ。とかケーヤともよく話すのだけど。ちなみに彼の話は本人の新しいブログで書くと言ってるので楽しみだね!そんでクラブ終わって日高屋でラーメン喰いながら話す。笑う。三大清がビートきよし黒沢清、田中清って。
家帰って起きたら6時とかで萎えてエドワード・ヤンの『恋愛時代』、ホウ・シャオシェン『憂鬱な楽園』、エルンスト・ルビッチ生きるべきか死ぬべきか』を立て続けに見る。ちなみに僕はルビッチが大好きなので「がるぼる、大いに笑う」なんてブログのタイトルにしてるのだが、この意味を15人くらいはわかってくれると思ったが、当代一の元シネフィルのケーヤもしょーくんもわからなかったのでわかった人にはいいものあげます。