発見……

いまの僕は何が嬉しいってそれはもちろんひとつしかなくてスウィートベイビーパトちゃんがこうしてまた戻ってきたことで、それは眠いなあとか思ってる僕に長文を書かせる程力のあるものだからとにかく嬉しいのだ!彼女とのことを語ると長いからそれはよしておくのだけれど、だから昨日も昨日とてスタバにいってトールラテにハニーと最近は仲良くなった店員さんのおすすめでココアパウダーを入れるのであまあまとなる。あまあまを飲んでいると、7さいくらいの男の子がおかあさんとスタバに来ていて、ご注文はなににいたしますか?んーそうねタゾティーにしようかしらという会話が繰り広げられたあたりで男の子はママに「だめだよ紅茶なんてここはコーヒー専門店だよ」と叱っていてほっこりした。彼の将来が有望だね。僕なんて15才くらいまでは満足にコーヒーも飲めやしなかったのにね。
あまあまほっこりしてたら偶然友だちと会ったのでなんにんか友だちを呼んで彼女のうちに遊びに行って鍋なんだりをした。鍋はとってもおいしかったのだけれど胃縮小してきてどうもという感じでさいきんはビールも量が飲めずこうして私たちは年をとっていくのだろう。25才になると3時間とかの睡眠でも眠くなくなるらしいのとか12時間寝ても眠いいまの僕には暗い未来にしか思えないのだ。でも年をとるということは悪いことばかりじゃないように思えて、若いうちは全然魅力を感じなかったものが次第によくなってくるというのは悪い気がしなくて、たとえばそれは高木正勝とかボアダムスとか、サニーデイ・サービスの「魔法」とかクラッシュの「ロンドン・コーリング」とかボブ・ディランの「I want you」とかもちろんコーヒーとかゴダールとか『課長島耕作』とかいまの僕の人生にとってはどれも欠かせないようなものたちのもののほとんどが年を重ねるごとに再発見したものばかりで驚き幸せな気分だね。僕はこうした幸せを書き留めておこうと小説を書き始めたので誰か読んで下さい。
小説と言えば鍋をした友だちの家の主は小説を書いている人で、さいきん阿部和重の『プラスティック・ソウル』と一緒に彼女の新作とかむかしの作品とか3作くらい読んだのだけれど、阿部和重のほうはわりと心配なく読める作家の一人だったのだけれどこの前読んだミステリアス・セッティングは超がつくほどつまらなかったのでわりと心配な作家の一人になっていて、そしたら『プラスティック・ソウル』は超がつくほどおもしろくて最近フィリップ・K・ディックの『暗闇のスキャナー』を読んだところだったのでドラッグに関する小説がはからずも続く形になったのでわりと考えさせられて、とゆうよりもディックはドラッグで死んだとか確か有名な話だからいいとしても阿部和重もこの小説読んでる限りどう考えてもドラッグばっかやってる人にしかわからないような感じでそんなことばかり心配してしまった。小説書いてる友だちは阿部和重なんて死んでしまえばいいのに、これ以上伝説を更新するな、とか言ってて僕は笑ったのだけれども、それはそういった形でそろそろ実現しそうだ。どうでもいいけど『プラスティック・ソウル』は『暗闇のスキャナー』へのオマージュのような小説で、僕は阿部和重を超好きだし、ディックなんて谷崎潤一郎と並ぶくらい好きなので悪い気はしない。
で、だからディックと和重の間に僕はその友だちの小説をみっつくらい読んだのだけれど、それはもうおもしろいので一つ目は最初とか読む気しなかったけど読んでたらへえとなってきて最後はひどかったのでまあいいとして、二つ目はわりと文句の付け所がないというかスーイスイとおもしろく読んで映画みたいな小説だったので、彼女は阿部和重とか保坂和志とか中原昌也死ねとか言ってるけど、彼女の小説を発見するのは阿部和重とか保坂和志とか中原昌也なのでそういうことは言うべきではなくて、どうでもいいけど彼らの頭文字をとるとアホナで、書いてみて思った以上にどうでもよかったのでアホナと口に出してたら楽しくなった。だから保坂和志はわかんないけどアナのふたりはわりと危ない薬をやっていそうなのでノードラッグノーアナ!と叫ぶべきじゃないかなと彼女が小説を書く前にやるべきことはそれだ。
とここまでひどい文章を読んでいたあなたたちはもう僕の小説に関しては見切っているだろうし、忘れているかもしれないけどそれはわりと正解で、よし小説書こうと決意してペンと紙を用意し15分程書かれた作品はほんとにひどくてそれは156才になったオリヴェイラが主人公の話でこれはひどくて書くのをやめにした。そして再びペンを取った次の作品は20分くらい書いたところでこないだ友だちに見せたのだけれど、江國香織みたいだねと言われてどう考えても僕はその言葉を好意的に受け取れないので、彼はいま読んでいる本が『天使と悪魔』だかそんなタイトルの本で「『ダヴィンチ・コード』みたいで超おもしろいよ今度貸すよ」とおっしゃられてたので彼の言葉は信じないことにした。そしてあなたたちは発見するだろう1年半後の文學界で新人賞田中大地『日蝕にて……』という文字の羅列が存在することを……