おごるもの、おごられるもの

いま感動的なものは野球とバイトであり、サブローのスクイズとか宮本の走塁とか上原の投球とかわりと涙を流すことが可能な場所で僕は泣いているのでそれは大変良いように思えて、というよりも僕はそういった場面で涙をこらえる術なんか知らない。知る必要もない。僕が知らなければいけないのはただひとつで、あのSMAPが歌っている公式応援ソングみたいなのの歌詞だ。「ポジティブ弾丸ファイターでー」と歌っているのであろうが僕にはどうしても「ポジティブ弾丸ファイターズー」としか聞こえないし、実際この曲が流れるたびにそう口ずさみ続けているものだ。アイラブファイターズ!来年のペナントが開幕する頃には僕に許された野球番組視聴時間などない。
さて3連戦が終わってしまった今、僕はバイトと友だちと遊ぶことくらいしかやることがないのだけど、友だちと遊ぶのはいっぱい遊んでいていいのだけど、ともかくいまはバイトがめちゃくちゃ楽しくて僕はここの部署の人たちが本当に大好きだし、みんなからもたいそうかわいがられているといった調子なのだがあと実質3回でバイトは任期を終える。ここに来て僕の生活からバイトが消えてしまうこと=ここにもう出入りすることはなくなる、ということをわりと一日のうち何度も考えるようになり、そして毎回かなりへこんでいる。全然幸せじゃない。これは僕の隣の席に座っている素敵な女性や素敵な社員の方々ともう理由もなく会えなくなることだからヤダヤダヤダーとか切に思う。
だから今日はお昼は男の社員さん3人に連れられてご飯ご一緒して、社員さんとか言ってもほんと若い会社だからひとりは3つ上とかなんだけどあとのふたりは1こしか年も変わらないし完全に友だちノリで超笑いながらのランチタイムなのだ。で、3つ上の先輩がここで僕を応援してくれる言葉を放つ。うちの会社は比較的学生と接するんだけど、各社員さんに担当校みたいなのが振り分けられていて、つまりその人が言うには、「社員が担当校以外なら学生と付き合うのはセーフでしょ」とおっしゃられるので、それはつまり僕の隣の席に座っている素敵な女性の担当校に早稲田大学は入っていない=僕と付き合っても構わないという許可をもらったことなのでとにかく喜んだ。喜びすぎてマジすか!?と3度ほど聞き返したくらいだ。早速会社に帰って、来週の火曜日その方を飲みに行きましょうよと誘ったらゼヒゼヒといった感じなので超楽しみ!そしてそのあと友だちの紹介で僕なんかに会いたいと言ってくれる学生とOB訪問というかスタバで談笑して、わりと高感度の持てるいい学生だなあと思ってたら最後にいろいろ露呈して、人事に媚びうってますよーぐへへへみたいな部分が見え隠れして残念だったので、確かにそういうことできなきゃ生き残っていけない会社でもあるだろうし、ちょっとダウナーな気分になった。
わりと今日はリクルートな一日だったから、バイト後はまえまえから約束していた部署のアイドル的な方にモツ鍋に連れてってもらって、お酒とか飲んだら楽しくて、へえ彼氏と別れたんですかなにがるちゃん私を狙う?それに関してはノーコメントでなにそれまあ私年下興味ないしていうか内定者バイトの僕が社員さんとそーゆうのありなのですかいいんじゃない私も内定者バイトの時社員さんとセックスしたしまじすか!?みたいな楽しいやり取りをした。そのあとは真面目な話をしたからいいのだけど、モツ鍋屋を出たらなぜかその方が異常にかわいく見えてしまって焦った。「寒いねえ」「僕が暖めましょうか」「うーんその件に関しては検討の余地ありかな」とか言われてしまって結局のところ押しが弱いので、ありなの!?という追及とかそっと抱きしめたりはできずはははと笑い、ちょっと甘酸っぱい思いとかして銀座駅まで送るのだけど、最後に彼女はこう言う。「ワールドトレードセンターがなんとかとか言っててもさ、結局世の中男と女なんだよ」と。僕は恐れ入ってしまいこの方の偉大さにひれふす形となった。こんな感じでとにかく僕はバイトが楽しい。
\今日の出費\銀座ランチ→おごってもらう。スタバ→おごる。モツ鍋飲み→おごってもらう(出世払い)=710円