ウキウキしている

キュルキュキュルー。と僕はさっきからこうトイレと布団との行き来を続けていてこれはひどい
ことの発端は何だ、あれだ。一昨日だかの焼き肉パーティーだ。友だちのお父さんが焼き肉屋さんをやっているからと言うのでそれを聞けばもちろんじゃあ忘年会は、となるわけで屏風ヶ浦とかいう辺鄙な駅に行った。そしたらその駅はほんと怖くて、怪談に出てきそうな駅で振り向いたら…みたいな空気を作りだしていたので僕はそうすることもできずただ歩いた。改札で煙草を吸っていたらというかこれはキャスターの1mgで吸えたものじゃないんだけど友だちがぞくぞくと来たので、じゃあ行きましょうか、とさっきの気分も忘れて歩き出す。それで乾杯して、そしたらなんだかすごい量のお肉がゾクゾクと出されて、タン豚トロハツはらみホルモンロースカルビ上カルビ冷麺ビビンバアイスといった順で頂いたのだけど、そのときはほんとおいしくて楽しくていっぱい笑って、そしたら女の子のうちのとびっきりかわいい子がひとりソワソワしはじめて携帯しきりに見ててみんなが彼女のことをどうしたのかしらと心配な目で見つめる。彼女は意を決して言う。あのね、冷麺で盛り上がってるところわるいんだけど。
「私ねようやく自分の気持ちに気付いたんだ。好きな人がいるの。もうずーっと、4年くらい前から仲良くて、だけどずっと友だちだと思ってて、でもね他の人と付き合ってても彼のことを気にしてる私がいて、それにようやく気付いて、4年もかかっちゃったんだけどね。でねいましか彼が会えないって言うから、いまから、勝負、してきます。」
彼女はそう告白する。場が一瞬しんとして、全員が彼女を見つめる。彼女の目は強い。唇をちょっと噛む。「こんな格好でいいのかな。よりによってアメリカの田舎の少年をイメージしてきちゃった」誰も何も言わないその空気に耐えられなくなったのか彼女自ら冗談めかして場を盛り上げようとする。次に僕らが見つめるのは別の男友だちだ。彼は彼女に片思いをしている。彼はすっと立ち上がる。そっとグーにした手を出し、軽く彼女の肩を。「俺諦めるからさ。俺の分まで頑張ってこいよ。俺が惚れた女だぜ、自信持てって。」僕なんかは涙もろいのでそこらへんでちょっとうるっときてしまう。どうだオレンジデイズ。彼女はコートを着て「負けたらみんな、なぐさめてね」と言って背を向ける。僕らは残された彼をはげますのだ。
そういうのは良かったのだ。だが、帰りの電車で急に具合が悪くなる。そして帰り道吐く。客単7000円とおぼしきお肉を多少戻す。とりあえず帰って寝る。起きたら腹が痛い。頭もガンガンする。それでも今日は大事な漫才初舞台。頭痛薬を飲み込みなんとか新橋へ。ネタ合わせを直前3時間程でし、ピンクサロンパス初舞台へ。場はバイト先の忘年会。僕らの名前が呼ばれる。はいどーもーピンクサロンパスですー。ひたすらボケる、ツッコむ。ああ、久々の舞台の感触。超気持ちいい。あの照明とか最高。体が熱いのが興奮か熱のせいかまったくわからない。拍手も、やっぱ舞台好きすぎる。漫才が終わると同時にガクっと足の力が抜ける。あまりにも具合が悪いので途中で帰らせてもらいます、と言うとちょっと待って、と。また舞台へ上がらされて、偉い方から花束を頂く。まさかの花束もらって、また泣かされる。いったいこの職場で何回僕は泣かされればいいのだろうか。帰り道花束持ってひとり歩く銀座はちょっと良すぎた。
横浜駅ついた頃には立つのもやっとでインフルエンザになったと自分の中で思いこみ何よりもあしたの素敵な社員さんとのもつ鍋が、とそこばっかり悔やむ。それでいいのか俺の人生とは思うもののいまこの時期において最高にアクチュアリティをもつものはそういったことで、たとえ年下興味ないとか言われてても関係ないというか期待ゼロだから余計に楽しいのだ。期待あるとほんとにいいのかとかで怖くなるからね、そういうもんだろう。だけどまあインフレぽくて親に迎えにきてもらって帰って熱計ったら39度越えてて、一気に生きる気力が無くなるし、まったくあの体温計っていうものは僕たちを失望しかさせてくれない。それでもなぜか計ってしまう。ひたすらあったかくしてポカリ用意して寝て起きたら元気になった。熱が36度に下がった。インフルエンザではなくて半焼けの豚食べたのが原因らしいです。焼き肉め。そういえばインフルエンザなんて人生で一度もなったことがない。だがいいことの次には悪いことが起こるものであり、素敵な社員さんからのメールは今日の鍋リスケでお願いしますといった用件である。まあさすがに食欲とかないのでモツきつかったのだけど、と自分を言い聞かせお粥を作った。超おいしい。
それでも悪いことのあとにはいいことが起こるものであり、まえ修理出してたiPodは交換となってさっそくビッグカメラ行ったら何の機種と代えても良いというのでソニーとかパソコンつながなくていいから人気らしいと友だち言ってたしギガビートとかワンセグ見れるらしいというので迷ったのだけどソニーはダサくて僕はダサいの嫌いなのでやめてワンセグはテレビ見ないのでやめた。となるとやはりiPodである。160GBのクラシックタイプとかあってやあ凄いなあと思ったけどパソコンそんな若くないし160GBはどう考えても無理で、やはり、ということで憧れていたiPod touchをゲット!帰って早速いろいろいじるのだけどこれは超楽しいというか画期的な発明だと思う。タッチでスーていうのは超楽しい。クール。というのはディックの小説に出てくるビッチがよく言う台詞で大好き。クール。ところでさっき気付いたのだけれどiPod touchはどうやらインターネットが出来てしまう!もうパケ代もかからない。よく使い方わからないでタッチでいろいろネットで見てたら僕の前の日記にスターをつけてしまって記念に残しとくことにしたアイポッドタッチ記念スター。メリークリスマス☆というかYoutubeがつながる、ということは、もはやなんか色々とやばい発明なのでは。
とりあえずLast ChristmasとI Want youと魔法とThis Time tomorrowとLolaとサマージャム'95とOverとPop!Goes My HeartとWar Is Overとタンデムのyoutubeをブックマークした。ぼくの音楽ライフはいま最高の時を迎えている。いつでも、どこでもThis Time Tomorrowとともに。ああ腹が痛い。