Koi wo Shiteiru

恋をしているのかもしれない。わりとぼーっとすると、あるいは映画を見ているときとかでさえもふと、彼女のことを考える。考えてしまう。僕は。彼女からのメールがくるとひどく嬉しかったりドキドキしたり。わっかんねー。まだ一回しか会ったこともない人なのに。
おとといシネセゾンで会った友だちがあしたの映画私も関わってるのーみにきてーと言うのでああそれはもちろん!と快諾した。起きれるか心配だったが案の定起きたらぎりぎりの時間で超走った。それで『真正粘菌の生活史』を見たのだけどこれは科学映画というジャンルで最初の方博物館とかで流れてる映画じゃんとか思って舐めてかかったら、とちゅうで粘菌が合体したり他の粘菌食べちゃったりまるで活劇映画だったのでたいそうおもしろく見た。粘菌を舐めてた。粘菌最強!というか監督は樋口源一郎という人なんだけどこのひと94才でこの映画を撮ったらしく日本のオリヴェイラじゃんと興奮する。なぜなら僕はオリヴェイラーだからだ。そのあとの『きのこの世界』は気持ちよく寝た。トイレ行ったら別の友だちと会ったのであらまあひさしぶりーと驚いて、彼は映画撮ってるのだけどその前日聞いた話によると黒澤明なんたら賞みたいなのの最終選考まで残ってるとかいう話を聞いたばっかだったのでひゃあ凄いねーと話して残念ながら200万円は貰えなかったらしいけど有楽町朝日ホールで上映されたとか聞いて笑った。あのルビッチとかかかるでかいあそこですよね僕の知ってる限りと確認するもはあと言うのでどうやら真らしくそいつはすげーやとゆうか彼は僕の知ってる限り学生の映画作家では三宅唱の次くらいにおもしろい映画を撮りそうな人なので喜んだ。最終まで残ったやつは前見たんだけど僕はあんまりいいなあと思わなかったけどきっとすごいのだろうね。そもそも黒澤なんとかは以前しょーくんの『マイムレッスン』か『4』(どちらも最強)が落とされてるので基本的に信じてないのだけどなんかこう友だちが頑張ってるのとかすごく嬉しくなってしまう。俺もがんばろーと僕は単純な人間なので思う。
それで佐藤真の『SELF AND OTHERS』も続けてみたのだけど、これは牛腸茂雄とかいう写真家のドキュメンタリーでこれ見たらがんばろーと思う気持ちが更に強くなってしまうというかまったく僕への応援映画なのではと思うし彼の言葉はいちいち琴線を攻めたてるので悔しくなったり嬉しくなったり大変だった。ところで彼は桑沢デザイン研究所の出身らしく、僕の友だちでひとり桑沢行っててへえと思って彼とは卒業前にイベントをやろーよという話をしているので、そのイベントはカレーと音楽と展示とかいう超楽しそうな感じでがるぼるDJやってよーと言われたので楽しい曲をいっぱいかけたい。『SELF AND OTHERS』は基本的に牛腸の写真と牛腸の撮った映画と佐藤真の映し出す風景と西島秀俊の声によって成り立つ映画で牛腸は写真も映画もすごいんだけど、違和感を感じるのは佐藤真の撮った部分で牛腸本人はもうこの世にいないしインタビューしてるわけでもないので風景を撮るのだけど、彼にできることは牛腸の故郷や彼の好きだった場所住んでた場所を追うくらいしかできないんでしょーどうせ。だったらその存在の意味って何よと一気に興ざめする部分があって、こうドキュメンタリー信者じゃないしどうにも懐疑的になってしまって見てたのだけど、あるショットで佐藤の撮る風景から牛腸の写真が挿入される瞬間があって、ああそうか、と僕は落涙を余儀なくされた。佐藤真のやりたいことはこれだったのか、とストンと落ちた。
そういえば『SELF AND OTHERS』の上映前に北小路隆志井土紀州トークショーがあって、前日に映画好きの方々は北小路さんの言葉は全く信じれないとか言われてて僕の信じている方たちがそういうのならば、と僕の今年のテーマは懐疑的になることと映画を見ることなので懐疑的にトークを聞いていたのだけどこのトークはちょっとやばくて、へえすごいじゃん北小路というかすごいのは北小路さんじゃなくて井土さんなのだけど、北小路さんのフリがなければ井土さんはあの言葉を発さなかっただろうし、それを引き出したのはまったく彼の力なので北小路やるね!井土さんが「僕らは時代に規定される」という言葉から話は拡がり、そして北小路さんが「佐藤真の映画は不在だ。不在からはじまるのだ(これはその前日のトークで樋口さんと湯浅さんがディランの否定形、絶対の不在について話していたこと、あるいはJohn Faheyの話につながる)死んだあと『遅れてしまったよねー』という感覚。サイード牛腸茂雄のように」と切り出し、僕はよく遅れてしまったなあというように考えがちなので、68年だとか僕はそこにいたかったし、阿部和重が68年生まれだと聞いたときひどくうらやましく思うし、なぜなら僕が物心ついたときにはジョン・レノンすら既にこの世に「不在」だったのだから、ほんと「遅れてしまったよねー」という感覚が強い。全く僕に責任はないのにとか考えてそれそれそこが聞きたいのよもっとつっこめ北小路と応援している自分がそこにいたしつい身を乗り出しメモ帳を開いてしまったくらいで、そこで北小路さんはこう続ける。「井土さんは、たとえば68年だとか、その時代に対して『遅れてしまったよねー』というように感じるのでしょうか?」と聞いたところで僕は心の中でガッツポーズを決めよっしゃい!と叫んだものだ。井土さんは、すぐに「ないですね」と答える。むしろ証言が聞きたいのだ私は、と。「遅れ、不在はただいたずらに神話化を促すのみ」と発した彼の言葉に僕は、はっ、となる。この言葉は僕の気持ちを楽にしてくれる。そうか、と。
ずいぶんと楽になった僕は『SELF AND OTHERS』を楽しみ、『真正粘菌の生活史』に関わってた友だちとシーシャ吸いに行こうよと誘われたのではいよろこんでーとついてく。最近人妻になった彼女は実は26才とからしく、へえと驚きじゃあ意外と早いわけではなかったのか、と思って彼女の友だち呼びにフレッシュネスバーガーいって友だちと会って談笑する。年上の女性と一緒にいると楽だし楽しいなあとなって、店移動してルクソールというエジプト料理のバー行ってまずシーシャ頼んで、みんなでくるくるまわして吸ったら楽しくなってきてしまう。つぎ敬語使ったら罰金だからねーと言われたりしてると友だちの友だちの彼氏も来て4人でコシャリとかモロヘイヤスープとかラクダのステーキとか食べた。エジプトいたときはコシャリを食べ過ぎてトラウマになってしまい街頭で見るだけで吐き気するし、エジプト料理ははんぱなくまずいので危惧していたがさすがに日本アレンジしてるらしくおいしく食べた。まあエジプトでもこのぐらいの値段出せばそりゃうまいのだろうけどもコシャリとか30円くらいでわりと量あったのでケチるとそうなるよねってそりゃ当然だ。シーシャ吸いながら、彼女が昔やってたバンドというかメンバーは彼女と彼女の旦那と僕の向かいにいる彼女の友だちの彼氏との曲聞かせてもらったら、旦那はナンバガのときの向井みたいな声で歌うし、解散ライブの最後の曲の音源だったので旦那泣きながら歌っててイヤホンでもものすごいわかって記憶がなあ、と一気にその感情は僕にも共有されほんとにいい曲だった。すごく素敵な人たちだったからいつまでもいたかったのだけどせっかくの場なのでいつまでもいたら悪いなあと思ったのでちょっと早めにお邪魔したがもちろん年下好きの女性がいたら紹介してくださいと頼んでおいた。というよりむこうが大地くん素敵だから紹介したいと言ってくれてテンション上がった。
電車に乗れば携帯を取り出し、僕と僕がちょっと恋をしているのではないかと思ってる人とその友だちと僕の同居人がダブルデートするみたいなメールのやりとりして遊園地ダブルデートだよねやっぱりと興奮してたのだけど、さっき彼女の友だち無理になったのでダブルデートはなくなってしまい、それじゃあどうしようか、ということで明後日ふたりで遊園地デートすることになって興奮して眠れなくて僕はブログをこんなに長々長々と書いているのだ。久々だぜこんなドキドキ。それで友だちのうち遊びに行ってそのまま泊まった。
今日はシリア大使館行ったのだけど時間間に合わなくて、ああと呆然としてたら、中からシリア人出てきて当然いい奴で色々話したけどまた明日出直すことになりましたちゃんちゃん。まあせっかく赤坂来たし文教堂でこないだ知り合った人働いているというのでちょっと覗いたけどいなくて、会社の健康診断いく。すげーひっかかってる気がしてまじこわい。てか太りすぎたタイでの最痩期から+9kg。ダイエットしなければまた旅行ったらやせるっしょ。絶対同居人のおいしいごはんのせいだ。横浜帰って友だち店長やってる店覗いてカフェみたいなスペースで珈琲飲んでたら友だち休憩できてくれて彼は超おもしろいので笑い、ビデオレンタルしたらお金無くなって実家に帰らざるをえなくなった。5時間くらいまどろんで、『天才マックスの世界』見たら超いいので、というより僕は同居人に僕の気になってる女性をマックスみたいにとられたくないし、さっき同居人にダブルデートなくなったよーと電話したらああ残念お前の気になってる子と仲良くなってやろうと思ったのにと怖い話をされたので胸をなでおろす。
ちなみに彼女からさっき「私の友だちが同居人くんおもしろうだしもっと知りたいからメールアドレス教えてほしいって言ってたよー」とメール来てそーゆうのはワクワクするし好きなので楽しくなってきたぜ!